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『督促OL 修行日記』榎本まみ

2017年5月15日

 

あなたはブラック企業で働いたことがありますか?

 

『督促OL 修行日記』 榎本まみ

 

この本には、新卒で督促を行うコールセンターに配属された著者榎本さんの督促についての考え方・方法論やそこで出会った人たちのことが書かれています。その環境たるや悲惨なもので、毎日がクレーマーとの戦いです。私も仕事でクレームの対応経験はありますが、本当にたまにのことで、クレジットの切羽詰まっているお客さんほどではないので難なく耐えられましたが、彼女と同じような職場で働いたら数日で心を病むと思います。

 

この本を読んでいたら、ブラック企業で働くって何だろう?って思いました。

 

ブラック企業の特徴としては、まず離職率がものすごく高いです。生き残っているだけでエライというようなことが書いてありましたが、その考えは本当にわかります。仕事できるできないじゃなくて、まわりが辞めていって、ただそこで生きているというだけで、一目置かれるんですよね。彼女の場合は、仲が良く成績優秀だった同期までもが去ってしまします。

 

私が督促できるようになれば、お客様に言い負かされないようになって、お金をちゃんと回収できるようになれば、そのノウハウはきっと使える。

私の実験結果で、A子ちゃんみたいに、督促のようなストレスフルな仕事で人生を狂わせてしまう人を一人でもなくすことができたら・・・・・・。その日から私の「研究」が始まった。

待ってろよ、私から同僚をたくさん奪っていった「督促」め、カタキは絶対に討つぞ。

『督促OL 修行日記』 榎本まみ 2012年 文藝春秋 P137ページより引用

仲の良かった同期が去ってしまい、そうして彼女は、彼女が考える「弱者の戦い方」を編み出すために働き始めました。

 

なぜそうまでして働くのだろうか?

 

世の中にはブラック企業がたくさんあります。その定義は正直よくわかりませんが。そして、そうでない企業もたくさんあります。そうでない企業もたくさんあるのに、彼女はそこで働き続けました。そして終いには本まで出版しています。

彼女と彼女のまわりの辞めていった人たちの違いはどこにあったのでしょうか?

 

その違いは、そこで「やるべきことがある」か「やるべきことがない」かの違いだったのかもしれません。

 

榎本まみさんに心から拍手を送ります。

 

書評

Posted by 青山ゆう