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「幸せは遅れてやってくると知りなさい」春の香りとシンプル様

2017年5月4日

 

夜道を歩いていると、目の前から1人の女性が歩いてきた。辺りはとても静かで、本当はいろんな雑音が溢れていたのかもしれないけど、そんなのは一つも耳には入れなくて、その数秒後に彼女とすれ違った。

振り返ると彼女の後ろ姿はもう見えなくなりかけていて、なぜ振り返ったのかというと、彼女とすれ違って、少し経ってから、「ふわっ」とあのお馴染みの香りが脳に届いたからである。

 

あなたが男ならわかってもらえるだろうと思う。

 

女性とすれ違って、少し遅れてやってくるあの良いにおい。ほんの一瞬幸せを感じるあのにおい。

 

その時改めて、「今自分がやっていることは間違っていない」と思った。こんな言葉を思い出したからである。

 


 

「人生において、幸せは遅れてやってくるということを知っておくのは大事なことだよ」

シンプル様は2杯目のホットコーヒーを注文してからそう言った。

 

「人は誰しも過去の上に立っている」

「今ここにいるということは、昨日までの積み重ねで、昨日までの選択の結果で、それが幸福であれ、不幸であれ、今ここにある人生は君の生きた結果そのものだよ」

 

「例えば、『生きていても何も楽しいことがない』と自暴自棄になって、酒に溺れている人がいたとする。その人の明日はどうなるだろう?今日よりも良くなるだろうか?」

「決してそんなことはないだろう」

 

「例えば、『人生をより良くするためにたくさん勉強しよう、たくさん経験しよう』という人がいて、毎日頑張っているとする。その人の未来はどうだろう?より良いものになっていくだろう」

 

「こうして例をあげてみれば、ほとんどの人が『それはそうだろう』となる」

 

「でもそのほとんどの人が、『今日も変わり映えのない一日だった』と背中を丸めて家に帰っている」

 

「それは幸せ(喜び)というのが遅れてやってくるというのを理解していないからである。加えて、大きな幸せはその期間が長く、不確実だ。だからそれに我慢できなくて、多くの人たちがなんとなく毎日を過ごしてしまうのだよ」

 

「今日家に帰って、テレビを見て笑って過ごせば、『なんとなく幸せ』な気がする。でもその幸せはすぐに消えてなくなって、夜寝る直前に、『明日仕事に行きたくない』となる。でも次の日もまたその繰り返しで、その『なんとなく幸せ』は、いつしか『安定』というものに姿を変えて、終いにはそこに心地よさを感じ、その人は『なんとなくの幸せ』しか感じることができずに、その生涯を終える」

 

「『大きな幸せ』は自らの意志で追い求めなければ決してやってこない。そして、それは決断から結果までものすごくタイムラグがあるし、確実に手に入るとも限らない。でも世の中の少数派に属する人たちは、その道を自らの選択で進む」

 

「実はそこにはちょっとした秘密がある」

 

 

「一つは、述べた通り、『幸せは遅れてやってくるということ』を知っていること」

「もう一つは、『その過程に意味を見出しているということ』」

 

「青山君、これを心の片隅に置いておきなさい。ところで3杯目のコーヒーを飲もうと思うのだが、まだ時間はあるかね?」